近年、障害福祉サービス事業所に対する行政の実地指導や監査において、「原本確認」がこれまで以上に厳格化していることが、現場で強く意識されるようになっています。
資格証、実務経験証明書、雇用契約書など、「写しがあれば足りる」と考えられてきた書類についても、原本の所在や保管状況を細かく確認されるケースが増えています。
なぜ原本確認が強化されているのか
背景にあるのは、過去に発覚した資格要件の不備や虚偽申請、書類の改ざん問題です。
一部の悪質な事例をきっかけに、行政としては「書類の真正性をどう担保するか」を重視せざるを得なくなっています。
その結果、
- 原本が事業所に存在するか
- いつ・誰が確認したのか
- 写しとの整合性が取れているか
といった点が、運営基準の一部として厳しく見られるようになっています。
「あるはず」の原本が見つからない現実
実地指導の場で多いのが、
「原本は以前の管理者が持っていたはず」
「引き継ぎの際にどこかへ行ってしまった」
といったケースです。
特に、開所以来年数が経過している事業所や、管理者交代があった事業所では、
- 原本が個人ロッカーや自宅で保管されていた
- データ化はしているが原本の所在が不明
- 職員退職時に返却・確認していなかった
など、管理ルールが曖昧なまま運営されてきた実態が浮き彫りになります。
「悪意がない」では済まされない
多くの事業所では、意図的な不正を行っているわけではありません。
しかし、原本確認ができない以上、行政から見れば「基準を満たしていると確認できない状態」となります。
その結果、
- 改善指導
- 書類の再提出
- 場合によっては報酬返還や指摘事項の公表
といった対応につながる可能性もあります。
これは事業所の信用だけでなく、職員や利用者にも影響を及ぼしかねません。
今、見直すべきは「保管の仕組み」
重要なのは、「原本を集めること」そのものではなく、
誰が見ても分かる形で管理できているかという点です。
例えば、
- 原本の保管場所を明確に決める
- 持ち出しや確認履歴を残す
- 原本と写し、データの対応関係を整理する
といった基本的なルールがあるだけでも、指導時の対応は大きく変わります。
書類管理は“後回しにするとリスクになる”
日々の支援業務に追われる中で、書類管理はどうしても後回しになりがちです。
しかし原本確認の強化は、今後一時的な動きではなく、継続的な流れになる可能性が高いと考えられます。
事業所を守るためにも、
「今は大丈夫」ではなく、「いつ確認されても説明できる状態」を整えておくことが、これからの運営に求められています。
ポイント
実務経験証明書のことで、
「もう前の職場に連絡したくない…」
「何て言えばいいか分からない…」
と感じている人は、実は少なくありません。
そんなときは、無理に一人で抱え込まなくても大丈夫です。
前職への依頼を、行政書士と連携して代行するサービス タノンダ という選択肢もあります。